第二章 白羊厩の戦い-早洗濯対決!?-

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「どうすんだよ。こっちの洗濯機壊れてんだろ?!」 「すみませんが、アレをお願いします。乾燥は自分でやりますから…」 「分かったよ」 闘は、洗濯機に片手を入れて小声で叫んだ。 「ウォーター・トルネード」 たちまち、洗濯機の中に水の渦ができて、洗濯が始まった。 「洗剤は同じだろうな?」 闘は思わずシープに訊いた。 「そこまでズルしませんよ。どうせこっちの勝ちはほぼ決まりです!」 それから約10分後 「こっちも洗濯終了だ。然、後は任せた!」 「ハイッ!」 「今、外は良く晴れてるが、今から干せば、乾かすのにまる1日、いや、少なくとも夕方まではかかるはず。こっちは後5分程で乾きます。どうあがいても私の勝ちです!」 「それはどうでしょう。まだ分かりませんよ」 と言うと、然は洗濯物を空中へ投げ上げた。 「ファイアー・ストーム 春風の舞!」 洗濯物は渦を巻くように舞い上がり、2、3分程で完全に乾いた状態で下に落ちてきた。 「どうやら、乾燥は私たちの勝ちのようです」 「そんなバカな…」 ピーピー 「乾燥はこっちも終了だ。後は畳み対決だ!畳みの早さと丁寧さで私に勝てる奴など居らん!」 「それはどうでしょう?」 然は次々と洗濯物を畳んでいった。 シープは、それを見て、また叫んだ。 「バカな!こんなハズは…」 それでもシープの方が少しばかり早く畳んでいた。しかし、シープは焦っていた。そのため、積んだタオルが徐々に傾いている事にシープは気づいていなかった。 然の畳むペースは一定で落ちなかった。シープより遅かったが確実に丁寧にタオルを畳んで積んでいった。 シープの方が、ついに、タオルが無くなった。 「私の勝ちだ!」 シープは大声で叫んだ。しかし、その拍子に傾いていたタオルの山が崩れてしまった。 「しまった!」 慌てて、シープは積み直したが、然の方が先に積み終わった。 「どうやら、私の勝ちのようです」 「くっそー!」 思わず床を叩いて悔しがるシープ。 「勝ちは勝ちだ。先の部屋に行かせてもらうぜ!」 と闘は、勝ち誇ったようにシープに言った。 「待て!」 「何だ。いさぎよくないぞ!まだ何かしようってのか?」 「ほら、次の部屋である琴牛宮の鍵だ!」 そう言うと、シープは、闘に鍵を投げてよこした。 「ありがとうございます」 然は礼を言った。
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