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「どうすんだよ。こっちの洗濯機壊れてんだろ?!」
「すみませんが、アレをお願いします。乾燥は自分でやりますから…」
「分かったよ」
闘は、洗濯機に片手を入れて小声で叫んだ。
「ウォーター・トルネード」
たちまち、洗濯機の中に水の渦ができて、洗濯が始まった。
「洗剤は同じだろうな?」
闘は思わずシープに訊いた。
「そこまでズルしませんよ。どうせこっちの勝ちはほぼ決まりです!」
それから約10分後
「こっちも洗濯終了だ。然、後は任せた!」
「ハイッ!」
「今、外は良く晴れてるが、今から干せば、乾かすのにまる1日、いや、少なくとも夕方まではかかるはず。こっちは後5分程で乾きます。どうあがいても私の勝ちです!」
「それはどうでしょう。まだ分かりませんよ」
と言うと、然は洗濯物を空中へ投げ上げた。
「ファイアー・ストーム 春風の舞!」
洗濯物は渦を巻くように舞い上がり、2、3分程で完全に乾いた状態で下に落ちてきた。
「どうやら、乾燥は私たちの勝ちのようです」
「そんなバカな…」
ピーピー
「乾燥はこっちも終了だ。後は畳み対決だ!畳みの早さと丁寧さで私に勝てる奴など居らん!」
「それはどうでしょう?」
然は次々と洗濯物を畳んでいった。
シープは、それを見て、また叫んだ。
「バカな!こんなハズは…」
それでもシープの方が少しばかり早く畳んでいた。しかし、シープは焦っていた。そのため、積んだタオルが徐々に傾いている事にシープは気づいていなかった。
然の畳むペースは一定で落ちなかった。シープより遅かったが確実に丁寧にタオルを畳んで積んでいった。
シープの方が、ついに、タオルが無くなった。
「私の勝ちだ!」
シープは大声で叫んだ。しかし、その拍子に傾いていたタオルの山が崩れてしまった。
「しまった!」
慌てて、シープは積み直したが、然の方が先に積み終わった。
「どうやら、私の勝ちのようです」
「くっそー!」
思わず床を叩いて悔しがるシープ。
「勝ちは勝ちだ。先の部屋に行かせてもらうぜ!」
と闘は、勝ち誇ったようにシープに言った。
「待て!」
「何だ。いさぎよくないぞ!まだ何かしようってのか?」
「ほら、次の部屋である琴牛宮の鍵だ!」
そう言うと、シープは、闘に鍵を投げてよこした。
「ありがとうございます」
然は礼を言った。
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