落下物

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「君も南明日町の人かい?」 警察官の問いに昇太は「いいえ。」と返した。 「アレには接近禁止命令が出ている。家に帰りなさい。」 「分かりました。美愛はどうなるんですか?」 「隣町に避難してもらう。」 「それなら俺も連れて行って下さい。」 「自転車は?」 「置いていきます。」 高校の同級生の美愛を昇太は独りにできない。 こんな状況だから支えてあげたいと思った。 警察車両で運ばれ、隣町に入る。 昇太と美愛は昇太の家の前で下りた。 「ごめんね。」 「いいよ。別に。今日は誰もいないし。」 「えっ。なんか変なこと考えてない?」 「考えてない!」 むっと膨れる昇太に美愛の顔は少しほころんだ。
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