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カプセルの中は、ながらリクライニング装置。革張りのチェアに腰を落とすとカプセルのガラス面がゆっくり閉まる。
「おーい!」俊が叫んだ。
今になって閉所恐怖症の症状が出てきた。
「助け…て……。」五秒と経たない内に俊は眠りについた。
ーーふと目を開くと真っ白な世界が広がっていた。
俊はここを天国と思った。
「あー俺、狭い場所怖いから死んだのか~。あれは……。」
50m先に美愛似の天使がいた。
「美愛さーん!好きだー!」
せめて後悔しないようにと美愛似の天使に向かって叫んだ。
「俊!お前何言ってんだよ。」
ギクリと横を見ると昇太が立っていた。
「あ、悪魔だ……。」
昇太を悪魔呼ばわりして言葉を失う。
「昇太。」天使が気づいて近づく、間違いない本物の美愛だ。
近づくにつれ俊の顔が赤くなる。
「俊さぁ、美愛のこと好きだって。」
「え?」戸惑う美愛。
「冗談だって。死んだと思って、何か叫んだだけで……。」
「いいよ。」
一瞬時間が止まる。
目が丸くなり鼓動が早くなる。
「ほんとに?本当に付き合ってくれるの?」
「うん。」
俊に春が来た。高鳴る鼓動と嬉しさを抑えられずに美愛に飛び付いた。
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