バーチャル・ウォー ～町は占領された～

過去そして現在

カチッ、ボワーンとマイクの音がスピーカーから流れる。

「体験できましたか？」
本部長は皆を見渡した。

「夢の中を自由に動ける。それが装置の利点でバーチャルの世界にも応用できた。欠点はバーチャルの世界で受けた痛みを感じることだ。共感覚とでも言うか、人により差はあるが現実に受けた痛みの20%から40%の痛みをバーチャルの世界でも感じる。だから下手をすれば死ぬ可能性がある。」

会議室がざわめく。

「ところで君達が集められたのは個々に優れた人材なのだ。半数近くがゲーム好きで、その能力を買われたという事だ。
他にも本物の戦場で戦ってきた軍人や知能が高い者などが、こうして集められた。」

「俊もそうなのか？」

俊は少し顔を上げ
「あるFPSのゲームで世界を二位になった。」と答えて、ようやく俊が招集された理由が分かった。