四季うつり

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いつもの宵。 群青の空をひらひらと舞う蝙蝠を見ていた時だった。 プチトマトと茄子の畑の向こう。 ビニールハウスのわきに暗がりに、緑色に光るものがいた。 蛍光塗料のようなじわっとした緑色のそれは、人の姿をしていた。 それには目も口もなく、輪郭が緑に光っている黒い人のようなもの。
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