プロローグ

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あの子を、米沢美羽という子を特別だと思ったから。 自分よりも上の存在だと思ってしまったから。 多分、本能的なものだろう。 自分よりも格上だと思ってしまえば、その子に対して少なからず恐怖を抱いてしまうもの。 人間的にも差を感じた。 彼女はクラスでも目立つグループの中に、私はあまり目立たないグループの中で落ち着いた。 比べる意味は無いが、私とあの子は真逆の存在だ。 やろうとしなくても出来る彼女と、やろうとして出来ない私。 結局、高校デビューなんてのも上手く出来なかった。 嫌いだ。 できるか分からない事を、しようとして諦める。 言い訳をしてすぐ逃げる。 何も変わってない。 何にも変われない。 何一つ変わろうとしない。 ーーーーこんな私が、大嫌いだ。
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