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私は獣のように腐っていく身体に、酷く絶望をした。
数週間前、家族が私を残して死んでいき、絶望と憎悪だけを持って生活していた。世の中って不幸な人は馬鹿にされて終わる。そんな冷たいイメージがある。
家族を奪っていった一人の少年。
私は死刑を望んでいた。なんの理由もなく殺した犯人を自分の手で裁きたかったけど、と自分自身に悟っていた。
しかし、少年法により釈放された。
家族を殺した少年の母さんは、泣きながら少年を抱いていた。
私はその時、何故かあの母親を殺してやりたいと思っていた。
私を気遣ってくれてるのか、警察官の男の人は地面を見つめて俯いている私に声をかけてきた。
「まあ飲めよ」
警察官の人は、缶コーヒーを手渡してきた。私は素直に応じて、コーヒーを面一杯飲んだ。すると、自然と涙が流れてきた。
その様子を見ていた警察官は困った様子でいた。
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