冷笑

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「お前は強いな」  警察官の言葉に思わず私は、鼻で笑った。 「いい加減な事言わないでくれます」  強情に振る舞ったが、その表情は切なさを訴えていた。 「ならとことん絶望して、部屋に閉じこまって一生を終えればいいさ」  警察官は明かに酷い内容をぶつけてきた。遺族に言ってはならないような言動だった。私は意外な発言に反論出来ずに固まった。 「君にはまだ明日がある。明日がある限り、絶望もあるけど、希望だってある。世の中ってのは分からないものさ」  彼の言葉一つ一つには愛情がこもっていた。なにかを必死に訴えている姿に私は圧倒された。彼は続けて言った。 「世界は広い。ここが嫌なら世界へ行け。きっと必要としてくれる仲間がいる」  私は裁判所にも関わらず大声で泣いた。  しかし、それは絶望の涙ではなく、悔しさの入り交じった涙だった。
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