3人が本棚に入れています
本棚に追加
「ゲームさ。リアルなゲームがしたかったんだよ」
私は驚きのあまり硬直した。
びくびくさせながら、口を動かした。
「さっきは法廷で、僕の父さんに対する恨みとかって……」
「そんなの、嘘に決まってんじゃん。ゲーム感覚なんてバカ正直に言う奴いるの」
私は、背筋にとてつもなく凍てついた空気を感じた。
それは背筋だけに留まらず、全身に伝わった。私はもう絶望以外に感じなくなった。先程まで希望に満ちていたが、あの親切だった警察官にさえ、私は憎悪を抱いた。
もはや、私に「生きる」という選択肢が無いと感じた。
天のいたずら?ふざけんな、って私はこの時思っていた。
私は思いっきり振りかぶった拳を少年の頬に一発かました。少年は勢いで飛ばされ、地面に倒れる。
私はこの時、自分がやっている行いが悪い事だとは、これっぽっちも感じなかった。
少年は弱々しくなりながら私に言った。
最初のコメントを投稿しよう!