窮鼠

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話は数時間前に遡る… 大国からの侵攻が始まった時、たまたま渡米していて難を逃れ、そのまま保護されている親父から連絡があった 当然、電気通信の連絡は100%傍受/管理されているので、協力者のもと、手紙でのやり取りになる 真っ暗な東京湾に浮かぶ小さなボート上、真っ黒に日焼けした異国籍のタンカーの乗組員から、手紙と鍵を渡された ーーーーーー 薫へ ついに完成した 20日にはボブのコンテナヤードに着くだろう 詳しいことはグローブボックスの手紙を読め 100マイルで作動する 成功を祈っている お前が捕まれば、すべてが水泡と化す 頼んだぞ ーーーーーー …何が完成したのだろう? 100マイルで何が作動するんだろう? 話好きで、関西弁で大声でまくしたてるように話す親父だが、手紙はいつも簡潔で最小限しか書かないので普段通りなのだが… ただ、今回はわざとぼかしているようにも思える 鍵の形からすると、古い車のようだ
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