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「はあ……はあ……」
息が荒くなってきたようだ。そろそろ勝負を決めなくては……。
遠本はすばやく全身を前のめりに倒した。そうして力強く左足を床につく。
「はああッ!」
左足に力を込め、バネのような弾力で蹴った。
小柄な遠本の体は加速し、ほとんど床と平行になって空を切った。
握る二本の箒を交差して構える。
狙うは宿敵・美須賀の腹部!
「いっけえええええええッ!」
「ふん、甘いな」
美須賀の動きは獣のように俊敏だった。
咄嗟の跳躍で遠本の剣撃をかわす。
「チッ」
狙いを失った遠本は、再び足をつき、体勢をたてなおした。
両者の睨み合いが続く。互いに隙はなかった。
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