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「ふっ……。ざまあみろ新聞部め」
怒りを放出しすっきりした入藤は、その瞬間、背後に殺気を感じた。
すかさず振り返る。
しかし遅かった。頭にガツンと衝撃が走った。
「いてえ! 何しやがる!?」
殴られてうずく部分を押さえながら、入藤はたてついた。殴りかかってきた人物――美須賀は、たちまち苦々しい顔になった。
「てめえこそ、俺のカバンに何しやがる」
静かに、しかし鋭いこの言葉は、残念ながら反省の色も無い入藤の耳には届かなかった。
代わりに彼女の目に留まったものは、美須賀が肩にかつぐ長い筒状の武器。
その先端には可愛く顔が描かれている。
これは通称“部長代理”と呼ばれているもので、代々部長職に受け継がれている伝説のアイテムだった。
「美須賀! 部長代理で殴るのはマジで痛いからやめろ!」
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