【1】一月十六日の出来事

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「ふっ……。ざまあみろ新聞部め」 怒りを放出しすっきりした入藤は、その瞬間、背後に殺気を感じた。 すかさず振り返る。 しかし遅かった。頭にガツンと衝撃が走った。 「いてえ! 何しやがる!?」 殴られてうずく部分を押さえながら、入藤はたてついた。殴りかかってきた人物――美須賀は、たちまち苦々しい顔になった。 「てめえこそ、俺のカバンに何しやがる」 静かに、しかし鋭いこの言葉は、残念ながら反省の色も無い入藤の耳には届かなかった。 代わりに彼女の目に留まったものは、美須賀が肩にかつぐ長い筒状の武器。 その先端には可愛く顔が描かれている。 これは通称“部長代理”と呼ばれているもので、代々部長職に受け継がれている伝説のアイテムだった。 「美須賀! 部長代理で殴るのはマジで痛いからやめろ!」
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