壱ノ人生

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壱ノ人生

俺、こと氷上望人(ひがみもちひと)は、キョロ充であり、頭は普通、顔も普通、スタイルも普通なごく一般的な高校二年生だ。イケてない中学生活を送った俺は、所謂高校デビューを成功させ、二年間過ごしてきた。友達もそれなりに、女の子の友達もままいることにはいた。 午前七時、いつもの母親の目覚ましによる、いつも通りの起床。朝食はちゃんと頂く。俺は、なんだかんだ言いつつも、真面目だった。朝食はパンとハムエッグという、欧米よりの朝食、ブレックファーストであった。 「母さん!目玉焼きは半熟にしてって、いつも言ってるじゃないか!」 「うるさいわねぇ!半熟半熟ってあんたは人間として半熟なんだから、完熟した目玉焼きでも食べてなさい!」 「なっ…!」 「それに半熟って作るの面倒なのよ!家事をしながら朝飯作るのは大変なの!どうしても半熟がよかったらあんたが自分で作りなさい!」 いつもの朝で、いつものやりとりで、母親の怒りは体中に浸透に心頭していた。 「兄ちゃん、あんまりお母さんを困らせたらだめだよ。文句を言って食べるくらいなら最初から朝ご飯なんて食べなければいいのに」
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