壱ノ人生

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「あはは、ごめんごめん。お兄ちゃん見てたら私もそんな気になっちゃった」 縷々は笑いながらそう答えた。手元にあるリモコンを操作し、テレビを着ける。 テレビの画面の中では縷々が踊っていた。 「あなた今日は?」 「今日はオフだよー」 縷々はアイドルだった。 ーーー「くっそ…アイドルだからって調子にのりやがって…」 真夏の太陽がジリジリと照りつける中、望人は学校へと向かっていた。 「最悪…。歯磨きするの忘れた…」 望人は、真面目で卑屈で、そしてドジだった。 「まぁ、学校で口の中をゆすげばいっか…」 少しペースを上げて学校へと向かう。学校への道は舗装されておらず、凸凹の砂利道ではあったが、熱をあまり反射せず、幾分か快適に進めた。
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