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彼女はグッと奥歯を噛み、声色を荒げる。
「それが本当かなんて試してみなければ解らないじゃないですか!?」
「村上さんがわたくしを信じられないのなら仕方ありませんが、この攻略法は間違いなく真実ですよ」
「なら、無料で教えて下さい」
「勿論、無料で教えますよ。ただ昨日も言ったように……」
桜井がそこまで言うと
「サポート代でしょ!!」と理香子が言葉を遮った。
「だけど、不確かな物に二万は高すぎる……」
「二万が問題ですか?ならばいくらなら良いと?」
「いくらって、それは……」
「村上さん、本来ならサポート代は十万円なんですよ。
それを二万まで下げたのに、まだ高いですか?
そもそも貴女は、本当に攻略法で勝つ気がありますか?」
「ありますよ!だから思い切って電話したんじゃないですか」
「でも貴女は二万円を高いと言って、今日もパチンコで同等の額か、それ以上を使うのでしょ!?」
桜井の言葉に理香子は黙り込む。
確かに……そうかも知れない。
「貴女は本当にワガママなお客様だ……」
左耳には街中の雑音。
もう一方の耳には……溜め息まじりな彼の声が聞こえた。
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