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「あ、おはようございます。秋さん。」
「あぁ、おはようハル。」
俺が起きてくるとすでに三枝が朝食を作っている。
これも変化の一つ。
朝食だけじゃなく、呼び方も。
『仁科さん』から『秋さん』に、
『三枝』から『ハル』に……。
三枝……ハルに名前を呼ばれると心臓が駆け足になる。
あの日、一緒に買い物に出掛けた帰りから
ときたま起こる不整脈。
ほんのりと形づくられはじめた気持ちにはまだ気づかないことにしておく。
だって気づいてしまったら……認めてしまったらきっともう戻れないから。
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