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不思議なことに全く苦にならない。
むしろ秋さんの嬉しそうにしてる姿がみたくて自分から行動している。
いや、しかしこのままでは当初の目的を達成できない!と思い直す。
初めて会ったあの日、
どうしようもなくこの人の泣いた顔が見たいと思った。
自信たっぷりのあの瞳が俺のせいでぐずぐずに潤むところをみたい。
プライドを粉々に打ち砕いて俺にすがり付かせたい。
羞恥に染まる表情を見たい。
そんな欲望が沸き上がった。
もともと女でも男でもいけるタイプだったけど
こんなに強烈にほしいと思ったのは初めてだった。
だけど……いやだからか、
1歩が踏み出せない。
この穏やかな関係を壊す勇気が無くて。
策士策に溺れるっていうんだろうか。
落とすつもりが余計にはまって、そのせいで身動きが取れなくなってしまった。
これからどうしたもんかと
俺は深いため息をついた。
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