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気づいたらハルに抱き締められていた。
「なんで……。だってお前、いつも完璧すぎるくらい完璧で……俺に気遣って無理してるんだと思って……。」
うまく言葉にならないけど、日頃感じていた違和感を訴える。
「ごめんなさい。猫被ってました。秋さんに好かれたくて。」
「……ばかじゃねぇーの。」
あっさりと言われてちょっとムカついた。
人がさんざん悩んでたっていうのに。
「ばか。」
「はい。」
「ばか。」
「はい。」
「出てっちゃえ。」
「嫌です。」
「……好き。」
「俺もです。」
ハルのうでが心地よくて溜まっていた痛みが抜け落ちていく。
「俺たち、お互い一目惚れで両想いだったのにずいぶんと遠回りしちゃいましたね。」
そういってハルが笑うからおかしくなって、
二人で一緒に笑った。
それから初めてのキスをした。
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