ep.4

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「いってらっしゃい。」 いつものようにハルに見送られて出勤する。 「行ってきます。」 そういって玄関を出ようとするとハルに引き止められた。 「秋さん忘れ物。」 ちゅ。 可愛らしいリップ音とともに唇に柔らかい感触が重なる。 「いってらっしゃいのちゅー。」 「なっ、なっ、お前……」 ニヤリと笑うハルに対して、きっと俺は真っ赤になっているんだろう。 「ほら、遅刻しちゃいますよ。」 クスクス笑いながら言うハル。 その余裕が悔しくて 「ニヤニヤしてんじゃねぇっ!三枝のばかっ。」 そう叫んで家を飛び出した。
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