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「それで室長はどうやったら年下の恋人に対して素直になれるのかと悩んでいらっしゃるんですね?」
俺が話終えると本田さんが確認するように尋ねる。
「まぁそういうことだな……。 」
自分の恋愛話をするのは意外と気恥ずかしくて本田さんから視線をそらす。
「萌えるわ……。」
「え?」
本田さんがなにか呟いたが聞き取れなくて聞き返す。
「これは萌えるわ!室長に年下の恋人!しかも話を聞く限りわんこ属性!俺様に強引に攻められるのもありだけど、わんこ×ツンデレも美味しいわ!そして室長の悩みがかわいすぎるっ!やっぱり室長は受けよね!うん、絶対そうなんだから。これは可奈子と議論しなくちゃ……。」
突然意味のわからないことを息継ぎもせずに言い切られて唖然とする。
「ほ、本田さん?」
俺があっけにとられているのにまったく気づかない本田さん。
攻めの反対は守りだろ!
っていやそうじゃなくて燃える……って?
俺には理解不能な世界を垣間見た気がする……。
「この際相手が女性でも脳内変換すれば……。」
本田さんがぶつぶつ言っているがあまり深く聞かない方がいいと本能が警告している。
「本田さん、それで……」
「あぁすみません。ついうっかり。趣味のことになると熱くなっちゃって……。」
一体どんな趣味なんだろうか……。
とりあえず現実世界に帰還してくれたようなのでほっとする。
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