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「ただいまぁー。」
「お帰りなさい。秋さん、お疲れ様。」
いつものように出迎えてくれたハルが俺の手からカバンを取り上げ定位置に置く。
その様子を何気なく見ながら、ハルはこっちから言わなくても気がつくから頼むこととかなくなっちゃうんだよなぁー……。なんて思う。
「どうかした?」
「いや、なんでもない。」
その後はご飯を食べて、お風呂に入って、ソファーに座ってテレビを見ながらまったり……
あれ、お願い事してなくね?
あまりにもハルが完璧なので忘れかけていた。
というか、何をお願いすればいいんだか……。
……………………………………。
……仕方ないので本田さんの案を拝借しよう。
「なぁ、三枝。ちょっと肩揉んでくんねぇ?」
洗い物をしていたハルに声をかけた。
「え、肩揉みですか?」
「いやならいい。」
ハルの訝しげな声音に反射的にそう言い返してしまう。
するとガシャガシャと慌てたような感じの音がして、キッチンからハルが飛び出してきた。
「いやだなんて言ってないでしょ!やります!てか、やらせてください!」
「お、おう。頼む。」
ハルがあまりにも必死なので驚いた。
やってくれるのならありがたくやってもらおう。
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