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肩揉みをしてもらい始めて5分。
「あぁー、やべぇ。気持ちいい。」
「結構凝ってますね。」
すっかりハルのマッサージテクに骨抜きだった。
ソファーに深く座って、優しく肩から首筋にかけてを揉みほぐされる。
ハルの手が心地よくてだんだん眠たくなってくる。
「寝ちゃっていいよ。運ぶから。」
「んー、」
ハルの言葉に意味をなさない返事をしながら俺は眠りに落かけた。
あ、お礼。
ちゃんとありがとう言わなきゃ……。
半分眠ったような頭でぼんやり考える。
名前を呼んでありがとう
本田さんの言っていたことを思い出して、後ろに立っているハルに手を伸ばした。
「ん、……ハル。」
「っ!……なに?」
「手。」
そう言えばマッサージをしていた手が俺の手にそっと重なる。
無意識のうちにその手をぎゅっとつかむ。
「あ、秋さん?」
俺が何をしたいのかわからず困惑するハルが面白くてちょっと笑えた。
「ふふっ、……ハル、ありがと……。」
そう言うと、なぜかハルに後ろから抱き締められた。
その腕が気持ちいい。
今度こそ、俺は眠りに落ちた。
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