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俺の腕の中で寝てしまった秋さんを寝室に運ぶ。
すやすやと気持ち良さそうに眠る秋さんに思わずため息をついた。
さっきは理性が吹っ飛ぶかと思った。
あの笑顔は反則だと思う。
なにがずるいって、秋さんにはまったくその気はないのがずるい。
俺はいつだって抑えきれないくらいの欲望と闘っているというのに……。
にしても、なんで急にマッサージしてほしいなんて言い出したんだろうか。
最近は俺に触れられることを避けていたというのに。
まぁ嬉しい変化ではあるけど。
そんなことを考えながら、そっと秋さんをベッドに下ろす。
目にかかった髪を避けてやるついでに額に軽く口付ける。
本当はこのまま可愛らしい寝顔を堪能したいところだが、それだけじゃすまなくなりそうなのでやめておく。
布団をかけ寝室を出ようとしたら、なにかに服を引っ張られた。
秋さんが俺のシャツの裾をしっかり握っていた。
引きはなそうとしても、しっかりと掴まれていて離れない。
「んぅ…………ハル……。」
一瞬起きたのかと思ったがしっかり閉じられているまぶたを見て、寝言だとわかる。
「参ったなぁ……。」
秋さんの可愛すぎる行動に頬が緩む。
今日は寝れそうにないなぁと思った。
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