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「なぁ、三枝。行くとこないんだったらさ、ここに住んでもいいぜ。」
丁度いい塩加減の焼き鮭に箸をのばしながらキッチンでお茶をいれている三枝に声をかけた。
「えっ!仁科さん、ほんとうですか!」
湯呑みを乗せたお盆を運びながら、三枝が嬉しそうに言う。
「ただし、家事をやってほしい。それが家賃代わりな?」
嬉しそうな様子にこっちまで嬉しくなるだろとかおもいながら条件を提示すれば、
「それくらいならお安いご用です!よかったぁー。働くにしてもそっから足ついて親に見つかっちゃうんで困ってたんですよ。」
小さくガッツポーズをする三枝にバタバタとふられる尻尾が見えるのは気のせいではないと思う。
こうして、俺と年下男子、三枝の不思議な同棲生活が始まった。
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