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俺が本田さんに考えてもらった作戦を始めてから1ヶ月が経った。
しかし、俺たちの関係はいっこうに進展しない。それどころかすっかり日常の一部と化していた。
今では俺が言わなくとも髪の毛を乾かしてくれたり、マッサージしてくれたり……。
ベッタベタに甘やかされている気がする。
嬉しくないわけじゃない。
むしろハルの腕の中で甘やかされるのは心地いい。
だからこそ嫌なのだ。
俺はハルになにをしてあげられているんだろう。
ハルのくれる愛に対して、俺は……。
受けとるばかりじゃだめだ。
そう思って素直になろうと思ったはずだった。
なのに……。
「はぁー……。」
俺だって男だ。
好きな人に触れたいし、触れられたい。
いつまでも優しいキスだけじゃ満足できない。
でも、ハルは全くそんな素振りを見せない。
この1ヶ月、少し積極的にハルに触れることもあったのに、近づけば一歩引かれるような……。
まったく……。
与えられるばかりじゃ嫌だと思っているのに、結局は与えてもらうことをのぞんでいる。
そんな自分がいやで仕方ない。
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