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「はぁー……。」
「ため息。もう5回目ですよ、この10分間で。」
本田さんがコーヒーを淹れて持ってきてくれていた。
「そんなにため息ついてた?」
「えぇ。」
やっぱり自分は表に出やすいタイプなのかと思う。
「そーいえば、作戦はどうなったんです?」
そう聞かれて二度こぼれそうになったため息を慌てて引っ込める。
「うまくいかなかったんですか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど……。」
うまくいってないわけではないから、嘘をついているわけではないけど、自分がのぞんだ形と違うからかイマイチ言葉尻がはっきりしない。
「まぁ、今日のお昼はあけとくのでお話聞かせてくださいよ。」
本田さんがにこりと笑って言った。
「あぁ、助かるよ。」
ほんとに本田さんにはお世話になりっぱなしだ。
年下なのにしっかりしていて、俺なんかよりずっと大人だ。
吉平さんとも相変わらずラブラブだし、見習いたいものだ。
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