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「まぁ、本田さんの察するように俺の恋人は男だよ。それも6つ年下の。」
諦めたように言えば本田さんはキラキラと輝く瞳で見つめてくる。
「と、年下!年下ワンコの忠実さに天然ツンデレを隠し持つ室長はじれったくなっちゃったんですね!」
本田さんのあまりの勢いに気圧される。
しかも言ってる意味がわからん……。
どうしたものかと思っていると、そこに救いの神がやって来た。
「こら、有紗(アリサ)。仁科くんが困ってるだろ。」
「可奈子!なんで?」
「なんでじゃないよ。食事しにきたら仁科くんが困ってるのが見えたからな。」
「だってぇ。」
「だってじゃない。」
「ごめんなさぁーい。」
救いの神……もとい吉平さんはよしよしと本田さんを宥めながら、本田さんの隣に腰をおろした。
ありがたい……うん、実にありがたかったんだけど……目の前でイチャイチャしないでほしい。
二人ともなまじ見た目が美しいので、なんだか見てはいけないものを見てる気分になる。
あれか、毛並みの綺麗な猫同士がじゃれあってるみたいな……。
誤解を招かないよう主張しておくが、やましい気持ちはこれっぽっちもない!
……やましい気持ちはこれっぽっちもない!
なんか、大事だと思ったから2回叫んどこう。
一人心の中で悶えていると吉平さんに声をかけられ現実に引き戻された。
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