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「住み着いたとは失礼だ。
お父上に買ってもらったのだ」
テーブルに追いてあった煎餅を魔女は遠慮なくバリボリと食べ始めた。
「さすが、桐生(きりゅう)財閥のお嬢様。少しはお嬢様らしくしたらどうよ?」
お茶を入れながらご主人様は嫌味を言う。
「たわけ。
ワシはワシらしく生きてるんだ」
魔女はご主人様を睨みつけた。
こ、怖いにゃ……。
「さいですか。
んで、君は誰だい?」
呆れながらご主人様はあたしの方に目を移した。
「あのぉ、猫舌だから熱いのはちょっと……」
お茶熱いにゃ。
飲めないにゃ。
「だから、さりげなく馴染んでるけど君は誰なんだい?」
頭をかきながらご主人様は再度聞いてきた。
「やっぱ、猫の性質は健在なんだね」
魔女はメモをとる。
チラリとご主人様を見ると顔を引き攣らせてる。
どうやらイライラしているようだにゃ。
「あの、あたしはジャスティスなの。
ご主人様とお話したくて人間になったの」
ご主人様にホントの事を打ち明ける。
ご主人様は不思議そうにあたしの顔を覗き込む。
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