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「ワシ、ユーキを一杯可愛がっていたがな?」
ご主人様を真っ直ぐに見たまま、魔女は言う。
あたしがご主人様に可愛がられているように、ご主人様も魔女に可愛がられていたんだね。
「可愛がるってかさ、いろんな実験体にされたな」
ジトーッとご主人様は恨めしそうに魔女を見る。
「そうだったかな~」
頭の後ろで手を組み魔女は惚けている。
「ほら、そうやって惚ける」
ご主人様は魔女の態度にため息をついた。
「あ~。
今日は光に当たりすぎて体が溶けてしまいそうだわさ~」
ガブガブと魔女はお茶を勢いよく飲む。
「黙れ。
むしろ、溶けてくれ」
刺々しくご主人様は言う。
「あんびり~ばぼ~……」
これまた大袈裟に顎の下に両手を添え魔女は変な顔をしている。
にゃんだか猫のあたしが言うのもあれだけど、微笑ましいにゃ~。
仲睦まじいとはこの事にゃか?
勉強ににゃります!
人間って複雑にゃね~。
……て、違うにゃ。
「あの!」
あたしはじゃれ合う二人の間を割いてご主人様に話しかける。
「まだ何か?」
どうやらご機嫌斜めなご主人様。
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