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「当たり前だわさ」
魔女は即答する。
「ありえない、ありえない」
首を左右に振ってご主人様は全否定。
「よいではないか、よいではないか」
何故か魔女はニヤニヤ笑っている。
「……意味のわからん絡みは止めてくれ」
魔女の奇怪な言動にご主人様はため息をつく。
「あたしね、信じてもらえなかったけどご主人様とお話できて幸せだったよ……」
ポロポロとあたしの目から透明の液体が流れてきた。
これは……。
涙……?
あたし、泣いているの……?
「まさか、猫に戻るのかいな?」
魔女はあたしの顔を覗き込む。
折角人間ににゃれたけど……。
あたしは猫でご主人様の傍にいたいのにゃ……。
「……うん。
ご主人様、一つだけお願い聞いて」
ごしごしと涙を拭いてあたしは一生懸命笑顔を作る。
泣いていたらご主人様優しいから心配しちゃうもん。
「ええい。
ままよ。
この際だから聞けるもんならきいてやろうじゃないか」
半ば投げやりにご主人様は言う。
にゃんだかんだ言ってもご主人様は優しいにゃ。
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