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『もういいにゃ。
今日は帰るにゃ……』
にゃんとにゃくこの場から離れたかったあたしは退散する。
みんにゃわかってないにゃ。
ご主人様は……。
ご主人様はあたしにとって特別にゃの。
「んふふ~。
んふふ~」
にゃっ!
あたしの背後から身の毛もよだつ不気味な笑みが聞こえてきた。
その言葉の通り、あたしの毛はゾワゾワと逆立った。
「みつけた、みつけた。
んふふ」
振り返るとそこには不気味な笑みを浮かべる女がいた。
腰まで長い黒髪に真っ直ぐに切り揃えられた前髪。
小柄で華奢な体に憂鬱そうな瞳。
この人は!
魔女!
だとご主人様が言っていた。
黒系の服を好み、怪しい実験をしているらしい。
うちの前のデカイ洋館に一人で暮らす魔女。
ご主人様曰く……。
「魔女は猫を使い魔にするんだ。
だから近付くなよ」
てな具合に魔女に対しては警戒しているらしい。
「あなたジャスティスよね?」
あたしに視線を合わせ魔女は手を伸ばしてきた。
次の瞬間、あたしの体はふわりと軽くなった。
「……悪いようにしないわ。
少し付き合ってもらうわよ」
魔女に抱かれあたしは有無を言わさず、連れていかれた。
いや、逆らうと危険だと本能で感じた。
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