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「妃芽子がどうってことじゃなく、こいつは疾風幹部の妹だし、総長の従兄妹(いとこ)だろ?忠誠心の強い拓帆なら、絶対に来るって」
「俺、何時に電話したんだろ?」
「携帯の通信記録の時間見てみろよ」
「12時20分になってる」
「もう直ぐ一時間経つじゃねえか」
「わかった。もう一回かけてみるよ。ここ、地下だから電波が入らねえから上で、かけてくる」
気の弱そうな声の男が部屋を出て行くような音が聞こえた。
「ったく。拓帆の野郎、バカにしてるんじゃねえのか?」
「ふん。あいつは一年で自分だけが疾風に入れてもらってるから、鼻にかけてんだよ。おまけに幹部の妹に好かれてやがるし」
「気にいらねえな」
そう言いながら、こっちに近づいてくるのが分かった。
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