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希望を向けられていた視線は今や絶望の視線に変わり俺ではない奴に希望の視線を向ける人間に苛立ちを感じ俺は森に閉じこもった
勝手に期待し、勝手に落胆する…
___ふざけるな____
何が勇者だ、何が英雄だ
強ければ強い程勝手な理想をもとめられ、出来なければ見放され普通の人として迎えられず姿を隠して生きなければならない
かつての勇者も今や落ちぶれたものだな、罵られ、蔑まれ、仕舞いには国を追い出されるなんて、前の俺を殺したいほど憎い
一人でひっそりと暮らす俺はこれと言ってする事もなく今日を生きる為に野菜を育て、魔物を狩る
街には入れないから素材を自らの脚で取りに行き、材料を調理する鍋やフライパンを自らの手で作る
その幅広い仕事をこなす俺を見た俺を知らない旅人は《森の賢者》と俺の事を言った
しかしながら俺は賢者ではない、全ての魔法を知っている訳でも、魔法の理を知っている訳でも、魔法をぽんぽん浮かべれる訳でもなく
ただ自分の使える魔法を知り、如何に魔法に頼らず暮らせるか試しているだけだ
最初は遊び半分だったがそれが当たり前になり何時しか魔法を殆ど使わず暮らせれるようになった、今は魔法に頼りすぎて土の感触や木の肌触りすらも知らない奴が何人か居るのだろう、
確かに魔法は便利だ、しかしその便利さ故に何も理解しようとする者は居ない
、
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