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外は、まだ薄暗い。
たぶん、6時くらい。
学校に誰かいることを願いながら、電話ボックスに入る。
一定の音が耳に届いてから、女性の声。
休むことを伝えると、一方的に切る。
長電話はできないし、なにか言われたら面倒だから。
次に、自分の携帯にかける。
8回目のベルで出た、低い声。
「ん…誰?」
「あ…あの。」
静かで、少しだけ恥ずかしくなった。
なにを言おうとしてたんだっけ?
「…あー、ゆーり?
忘れてったよ、ケータイ。」
要件を言われて、あっけに取られた。
「届け、いく?」
「い、いい!
後で行きます…」
あっそ、なんて冷たい一言で切られると、受話器を置いた。
泣いた姿見られて、挙句の果てに二日も寝ていたなんて、恥ずかしいこと僕以外できる人いるのかな。
そんなことを考えながら、駅に向かう。
ちょうど、日が出てきた。
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