序章 傍観者は語る

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『魔族と人間の血を受ける少年が生まれた。 少年が生まれたのは、魔族と人間の対立が激化していた時代、魔族と人間の共存する村。 彼は生まれた時から、強大な魔力に恵まれていた。 ある時、彼は外の世界を知り、思う。 ――僕は、こんな世界を許せない。 生まれてから、16年。 彼は、友人であった魔族の少女と人間の少年と供に、姿を隠し旅に出る。 彼らは各地で幾度となく奇跡を起こす。 姿を見せることなく去っていくことから、『霧に隠れし救世主』として知られるようになった。 彼らへの、尊敬の声は今も絶えない。 時同じくして、戦争を裏で手引きする王と武器商人がいた。 ――我々の利益のためには邪魔である。 彼らをよく思わないその者たちは、いくつもの試練を彼らに与えた。 彼らは、その者たちが送る幾多の試練を乗り越え、成長していった。 旅を始めて12年。 ついにその諸悪の根源を絶ち、大陸に平和をもたらす。 その身に、強大なる呪いを背負って。
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