第二章 主役は青年に助けられ、驚愕する

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「あ、起きてる」  しばらく目の前の風景をぼーっと眺めていたが、背後からの声に驚き、勢いよく振り返った。 「……ぅ」  が、血を流し、軽く貧血状態に陥っていた結城は、目眩に襲われる。 「あっ、ごめん。そういや、結構血、流してたんだよな」  頭上で、申し訳なさそうな声が控え目に笑う。  結城はなんとか目眩をやり過ごし、ゆっくりと顔を上げた。  そこには細身で長身の男。ただ細いわけじゃないのは、身につけている七分丈のシャツから覗く腕や、襟もとの肉付きから見て取れる。  その上には比較的中性的で、整った顔、そして、長くも短くもないさらさらとした黒髪。  ただ、その夜空を映した様な青い瞳は、凛々しくも雄々しくもあり、只者ではないオーラを放っていた。 「うん、まだぼーっとしてるか。作っといてよかった」  そう言いながら男は、手に持った金属製のコップを差し出した。  受け取って覗くと、琥珀色をした液体がはいっている。 「ああ、変なもんじゃないよ? 薬、血の生成を助けてくれんの」  (いぶか)しげな表情をする結城を見て、男は付け加えた。 「……ッ」  結城は数10秒程その液体を見つめ、一気に流し込む。 「う゛……なんすかこれ」  あまりの苦さに結城は顔をしかめた。目もつけられないほどに酷いしかめよう。  その様子に、男は笑みを浮かべて口を開く。
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