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――喫茶店の情報屋――
――
スバルが消えた、“あの日”。
男はスバルの首都、リーリエンにいた。
もぬけの殻となった街の中に、ひとりぽつりと立っていた。
男の視線の先には、侵攻を受ける前にはなかった王の城。
魔族の中で生きたくないと、代わりの王の命で首都から離れた位置に建てられた建造物。
数分後に破壊の中心となる起こるその場所を、静かに見据えて立っていた。
『あとのことは、お前に任せるしかない』
『なにもできない私たちを許してくれ』
視線の先にいるはずである友と、守るために国の外へと送った主の言葉を胸に、そこにいた。
必ず還るのだ。そう強くこぶしを握りながら。
やがて、大きな力が城で膨れ上がり、強い光が城から漏れ出る。
「灯をともせ」
男はその光を焼き付けるように、愛しむように、称えるようにじっと眺めていた。
――
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