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「っ!!」
まずは『如意棒』で一突き。だが、それは掴まれ、数センチ届かず。
オーザンが手を振り上げ、目の前に方陣式が現れる。
咄嗟に『如意棒』を伸ばす。勢いよく伸びたそれは、オーザンを壁にたたきつけた。
式が消える。
不意をついたら、追撃。
思うよりも先に、足が床を蹴る。
左手の拳に力が籠もる。
碧い光りが皮下を走る。
「【碧鱗(へきりん)】――……!」
碧が広がる。
鱗が拳を覆う。
溢れる淡い光はいっそう強く周囲を染め、解放されて行き場を失った魔力をも巻き込んで大きく広がる。
――お父さん……!
不意にどこからか、泣いて止める声が聞こえた。
結城はその声に微笑み――
「あんたの息子、最高の馬鹿だよな」
あんたの息子にしては、優しすぎる。
心の中でそう呟き、ひと思いに拳を振り抜いた。
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