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赤く光る瞳に目をやれば、彼はニコリと笑い、続ける。
「……質問に移っても?」
「どうぞ……」
「ありがとうございます。ではまずお名前からですね……―――」
―――「アンダーソンくん、どう? 大丈夫そう?」
名前、身長、体重、誕生日……その他諸々要るのかもわからないような質問に答え終わった頃、シュウが正面のドアを開け、顔を出した。
「魔王殿、問題ないでしょう。これだけ情報があれば、偽造パスポートでもなんでもお造りできますよ」
さらっと答えるアンダーソン。
「偽造……」
他に引っかかるワードがあったはずなのだが、結城にはそれが衝撃であったらしい。
「んー今のところその予定はないなあ。正式なモノだから」
「では、詳しくは当事者もお呼びしての方がよろしいですね」
書き終えた紙の束と羽ペンを小脇に抱え、椅子から腰を上げると、アンダーソンはシュウに尋ねた。
ああそれなら。とシュウは続けた。
「丁度来てるし、大広間でお茶でも飲みながらでどう?」
「良いですね。……では、積もる話もあるでしょうし、そちらで待たせていただきますね」
「ありがとう」
何かを悟った様な妙に大人びた笑顔を残し、アンダーソンがドアの向こうに消える。直後、部屋は沈黙に支配された。
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