ぼくのせかい

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ぐちゃり つんとした鉄の臭いが鼻につく 頬に飛び散った赤はもう固まっていて 少し強く手の甲で擦らないと落ちなかった 靴の下には肉片がついていたらしく 歩みを進めるごとに ぐちゃりぐちゃり と不快な音を奏でた 倒れている人間を一瞥すると 頭を思い切り蹴った 力の入っていない頭は蹴られた方向にぐりんと動く それがなんだか楽しくて 何回も何回も繰り返した ――ぶち とうとう首と頭が離れてしまった 嗚呼もう楽しかったのに 転がった頭を今度は踏みつける 頭蓋骨の硬い感触がした その場にしゃがみ両手で頭を持つ 持ち上げると首と繋がってたところから 赤がどろりと溢れ出た そんなことは気にせずに 頭を持ったまま立ち上がり 両手を高く上げ頭を地面に叩きつけるようにして力を込め振り落とした ――ばき 頭蓋骨かわからないけど 何か骨のようなものが割れたか折れたかの様な音がした もう頭は原形を留めていなくて 「……」 ぐちゃりぐちゃり ぐちゃりぐちゃり 踏み潰した 眼球が出てきたからそれも踏みつけて潰す 「…飽きちゃった…」 ふと手を開いてみると その手は真っ赤に染まっていた
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