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彼女は潤んだ笑顔で
｢リョーマ君…｣
と、俺の名前を呟いた。
彼女の声は、電話より少し大人びていた。俺は彼女の声に答えるように、ゆっくりと彼女のもとへ歩いて行った。
｢ありがとう、竜崎。｣
そう伝えると、彼女は少し不思議そうな顔をした。
｢どうしてありがとうなの？｣
｢逢いに来てくれたからだけど…｣
俺には彼女の考えることがわからなかった。
｢私のセリフだよ、それ。｣
｢…?｣
少し考えてみるが、全くわからない。
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