後悔

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俺がアメリカに来て10年 今までずっとテニスに集中していた。 まわりの事なんてほとんど見えなかった。ただひとり、竜崎以外のことは… 俺は、竜崎が好きだった。 今でも好きだけど。 でも、気持ちは伝えずに、ひたすら自分を演じてた。 竜崎がそれに気づいていたのも、わかってた。 あいつだって自分を演じてた。 俺も、あいつも、すごく不器用だからお互いの気持ちに気づいていた。 それでも、自分の気持ちを口には出せなかった。 怖かったんだ。 俺がアメリカに行って、その後竜崎はひとり。傷つけるのが怖かった。 俺がアメリカに行く日。 あいつは俺に伝えようとしていた。 好き それは俺が一番求めて、一番怖れた言葉。 俺はその言葉を遮り、 「まだ言わないで…俺が帰ってきたらきかせて」 そう言って、竜崎を泣かせた。 どうして俺はあんなことを言ったんだろう。心の中には、今でも後悔しか残っていない。
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