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「事故の時、車の挙動がいきなりおかしくなったとか、ありませんでした?」
かずらの質問に、景山は頭を傾げてみせる。
「その辺りも……すみません、覚えていないんです。気が付いたら、いきなり道路に子供が飛び出してきて……それを避けようと必死だったのですが、運転操作がうまくいかずに激突としか……」
『どんな細かな事でもいい。車に携わるプロとして、他に何か不審な点はなかったか聞いてみろ』
ヤマラージャの言われる通りに、かずらが代弁を行う。
「車に関してっつーか、景山が事故ったと聞いた時にはマジかと思ったな。コイツは免許を取ってから1度として事故った事なんざなかったからさ」
かずらが「本当ですか?」と聞くと、景山は小さく頷いて免許証を取り出す。
「これも今回の事故で剥奪されてしまうでしょうが……」
見せてもらった免許証は無事故無違反を現すゴールド免許だった。
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