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車を調べている最中、景山の携帯電話が突然鳴り響く。「失礼します」と一言告げて、景山が電話に出た。
「もしもし、薬師寺か? 突然悪かったな、今大丈夫なのか?」
景山は、かずら達に背を向けて何やら会話を始め出す。2~3分程、簡単なやり取りを行うと振り返り、改めて説明を行う。
「八幡さんがおっしゃっていたように、事故当日に居酒屋で一緒にいた知人と連絡が取れました。これから会ってくれるそうですが」
「本当ですか! 是非会ってお話を聞かせて頂きたいです!」
『被害者がいる病院の近くに呼び出せ。その方が手間が省ける』
ヤマラージャの言う通り、かずらが伝えると、景山は小さく頷いた。
「……病院の近くに喫茶店があるので、そこに落ち合う事となりました」
『よし、では向かうぞ。この板金屋にも一応、話を通しておけ。もしかしたら法廷で証言をさせるやもしれんからな』
「は、はいっ!」
「裁判? 証言? 面倒臭ぇなぁ」と言う川藤を何とか説得し、かずら達はその場を後にした。
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