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「先生ぇーっ! 先生ーっ!!」
樹里が口元に手をあてて叫び始めた。すると病院の扉が再び開き、中からスーツ姿の女性が姿を現す。
「そんなに大声で言わなくとも聞こえますわよ」
縦巻きロールの綺麗な髪を靡かせながら颯爽と現れた人物……その胸元には紅色の旭日に、菊の白い花弁と金色の葉があしらわれたバッヂが輝く。
『秋霜烈日……こいつ、検事か』
女を見てヤマラージャがぼそりと呟く。ちなみに【秋霜烈日】とは検事バッヂの通称で、秋におりる霜と夏の厳しい日差しを表し、刑罰や志操(主義主張などを固く守って変えない心の厳しさ)に例えられている。
ふと、かずらを見ると表情が青ざめているのが分かった。どうしたというのか?
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