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「ごきげんよう、八幡さん。お久しぶりですわね」
女は、かずらに向かって話しかける。だが好意的という感じではない。相手を見下しているような感じだ。
『なんだ、知り合いなのか?』
ヤマラージャの問いに、かずらは「……え、ええ……まぁ……」と答える。
「彼女の名前は【城ヶ峰 星羅(ジョウガミネ セイラ)】……世界的に有名な城ヶ峰グループの総帥を父に持つ人で、整った顔立ちとグラマラスボディーを兼ね備えた完璧超人です……『美しすぎる検事』として連日メディアを賑わす、正に私と正反対の人物……」
『ほう。相手は検事、そして貴様の事を知っているという事は』
「……ええ……昔、裁判で争った事があります……」
結果は……聞くまでもないだろう。ヤマラージャと出会うまで、かずらは1度として裁判に勝った事などなかったのだから。だが、この様子の変化……よほど痛い目にあったのだろう。
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