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「彼女は大金持ちですから、情報を買うのに糸目などつけません。更にプライドが非常に高いので、事実を捻じ曲げてでも勝利に固執するんです。コネクションも強いので、彼女は未だ裁判で負けた事などありません」
『なるほど、それはいい』
「いやいやいやっ! 一体何がいいんですか!?」
『この女を貴様が負かせば、宣伝効果としては十分だろう。人間風情が分をわきまえず図に乗りおって……こういった輩は見ているだけで腹が立つのだ』
ヤマラージャの瞳に、闘志の炎が燃え上がる。心強い反面、恐ろしくもある。
「先程から、1人で何をぶつぶつ仰っていますの?」
気分を害したのか、ムッとした表情をしながら城ヶ峰が言う。かずらは慌てて「す、すみません。なんでもないです」と答えた。
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