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「一応聞いておきたいのですが……城ヶ峰さんがここにいるという事は」
「その通りですわ。まぁ、そちらの景山さんがキチンと指定された金額をお支払い頂ければ、こちらも無用の争いなどしなくて済むのですが。たかだか5000万円、棚橋さんの仰る通り四の五の言わず出しなさい、ですわ」
たかだか、の金額ではない。やはり彼女はどこか金銭感覚がズレている。
「八幡さんからも今一度、景山さんを説得して頂けないかしら。貴女もこれ以上、経歴に傷を付けたくないでしょう?」
「……そんな事、やってみなければ分からないじゃないですか。5000万円なんて大金、景山さんは払えないと言っているのです。払う必要もありません」
俯いたまま、言葉を返すかずら。それを聞いて城ヶ峰は「……へぇ」と少し驚いた表情をしてみせた。
「では仕方ありませんわね。戦いを挑んで来る以上、完膚無きまでにポキッと叩き潰して差し上げます」
「……負けません。私は、絶対に……!」
睨みあう両者。すでに戦いは始まっていた。
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