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「何かしら、その顔は。ならば貴女は、面会謝絶である棚橋祐君と無理に会い、その結果で彼の身に何か悪い事が起こってしまったとしても……その責任が取れると仰るのかしら?」
ぐっ、と言葉に詰まるかずら。責任など……取れるはずはない。
裁判を起こす事が決定となった今、情報を得る為に残された時間は少ないというのに……
「ちなみに。裁判は明日の早朝、行うとします」
「――――えっ?!」
思わず驚きの言葉が漏れてしまう。それはそうだろう。まさか明日いきなり裁判だなんて……そんな馬鹿な話がある訳がない。
「こちらも何かと忙しい立場ですの。ダラダラと時間をかける訳には参りません。その点、貴女は時間に余裕があって羨ましいですわ」
謀られた……! かずらはそう思った。全ては向こうの思惑通りだろう。
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