壱罪 : 八幡かずら

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「12月4日の23時20分頃、風俗店を経営している【植草(うえくさ) 権三(ごんぞう)】氏が路上で血だらけになり倒れているという連絡が入りました。 警察が現場へ急行。調べた結果、どうやら植草氏は何者かによって後方から何度も殴りつけられたようです。 彼は重傷を負い、救急の手によって直ちに病院へ搬送されました。ですが現在も意識を取り戻していません。 金銭の類を抜き取られた形跡がない事から、怨恨と考えるのが妥当でしょう。 今朝までの情報によると、凶器は未だ発見されていませんが、バットやゴルフクラブといった棒状の鈍器だろうというのが鑑識官の見解です。 そして重要なのは……事件現場から立ち去る被告人、笹山氏の姿を見たという目撃者がいる事! もはや弁明の余地はありません。犯人は笹山吾朗、彼以外に考えられない!」 「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!」 開始直前からの攻撃を受け、私は慌てて待ったをかける。
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